王女様がメイドに監禁される話(著 あいだ氏)はR18の小説である。

筆者は監禁とかそういうジャンルが苦手で基本的に手を出さないようにしてるが作品説明や他の同士達によるレビューを読んだ結果、薄い本にありがちな凌○作品ではなさそうだったため購入した。
決して主従百合が大好物だから購入したわけではない。信じてほしい。


○辱作品ではないと分かっていても読み始めるのに時間がかかってしまったが、いざ読み始めるとあまりの面白さに一気に最後まで読みきっていた。

本文を語る前に言っておく、危ないタイトルでR18だがえちちなシーンは凄く少ない。
あるにはあるが涙なしでは語れないシーンであるため官能小説とは違った興奮がある。



本作はタイトルの通り王女様がメイドに監禁されたところから始まる。

わがままに育った王女「エメリ」は突然の事態に怒り騒ぐが、メイド「マリヤ」は常に冷静に冷徹に接する。

王族を監禁し、藁の寝床で寝かせ、粥しか食べられない。エメリは怒り続けながら王である父の助けを待つ。

しかし、いくら待っても助けは来ない。王女が誘拐されたとなると大騒ぎになるはずだが、助けは来ない。

その間マリヤはずっとエメリの世話を続ける。王女を監禁している大罪人なのにメイドとしての仕事を続けている。

ただ世話をしているといっても所々厳しく接している部分もありその行動は理解し難い。

だがマリヤの言動を読み続けているとその世界の情勢が段々とわかってくる。

正直、その後の展開は予想しやすい物であるが、その予想を遥かに超える面白さが待っている。

マリヤの言動に焦りが見え始め、そしてその時が来る・・・


少しネタバレになるが5章からのストーリーが物凄く面白い。
ここからが本作のメインパートであるといっても過言ではないと思う。

これ以上先は完全にネタバレとなるため控えるが涙なしでは読むことはできないだろう。

可能ならば5章以降のエメリについてめちゃくちゃ語りたい。

ただ言えるのは小説を読み始めた時と5章以降のエメリのイメージは大きく変わることになる。

読み終えたころにはエメリの覚悟に惚れ、マリヤの溢れ出る深い愛の尊さに涙流すことは必然のことだろう。

5章から面白いと書いたがもちろん4章までの話も面白いし、マリヤのエメリを想う気持ちが感じることができる。

つまり総じて良い作品である。

個人的には最後もう少し先まで読んでみたいとは思ったが続編が出たためその問題も解決した。
続編が出ているが今作だけでも十分に楽しめるため一度読んでみてほしい。
筆者はまだ続編を読めていないため近いうちにまた感想を更新しようと思う。

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