少女漫画主人公×ライバルさん(著 くゥ氏)は少女漫画の主人公にいそうな地味な女の子と、主人公とイケメンの恋を妨害するライバルポジションにいそうな女の子の恋愛漫画である。
少女漫画らしく、主人公が憧れるイケメンポジションの男はいるが、ちゃんと百合百合しい作品であるため安心してほしい。
特に後半は完全に百合の花が満開となっているため、かなり糖度の高い作品である。
本作はギャグ漫画っぽい雰囲気の作品で各話「ライバルさんが主人公を脅すような感じを出してから猛烈に好意をアピールする」という感じで進んでいく。
ギャグ漫画っぽいとは言ったが、後半は少女漫画そのもので元々糖度が高いのに後半になるともっと濃度が濃くなっていく。
最終巻まで読む人は尊死する前に思い残すことのないように百合妄想をしてから読んでほしい。
主人公可愛すぎて辛い...だからこの作品を紹介する前に一言言わせてほしい。
てぇてぇよ...
本題に入るが、本作は主人公「木村」が憧れの「水嶋(※男)」に頑張って挨拶をしようとしてるところから始まる。
声をかける直前にカースト上位に位置するライバル(実質ヒロイン)「檜山さん」が水嶋に話しかけて妨害をし、檜山は水嶋に日直であることを伝えてその場から離れてもらう。
(本当は日直ではないが)
水嶋が離れたとたん檜山さんはかなり高圧的に木村を怯えさせるが、肩を掴んだ瞬間急に好意全開で猛アピールを始める。
もう最高である。
檜山さんの木村好き度が高すぎてニヤニヤが抑えられない。
次の話では木村が調理実習で作ったクッキーを水嶋に渡そうとするがなかなか勇気が出ず、渡せない。
そんなところを檜山さんに見つかり、また高圧的に話しかけられるが、これまた急に家宝にするから私に渡しなさいと要求されてしまう。
さすがに家宝にはできないと思うが、必死になって木村の手作りクッキーを貰おうとする檜山さんの姿は見ていてとても心が癒される。
以降もこのような形式で物語が進んでいく。
檜山さんが頑張って木村にアピールし、脅しながらではあるが遊園地デートに誘ったり弁当を作ってきて昼休み一緒にお弁当を食べたりする様はあまりにも尊い。
木村を怯えさせるシーンは怖いかもしれないが、作風を知っていれば壁ドンするシーンはすごく良いものに思えるだろう。
そしていずれ檜山さんのアピールにより木村の心境にも変化が現れていく。
少しネタバレとなるが2巻の途中からその片鱗が表れはじめ、3巻以降はもう甘々な展開の宝庫である。
そして最終巻にもなると...
これ以上語るとネタバレをどんどんしてしまいそうになるため、この辺でやめておくことにする。
だが、これだけは言っておこう。
最終巻の後半では素晴らしい光景が多々存在し、最終話ともなればあまりの美しさで歓喜のあまり尊死するのは必然のことだろう。
私は何度も復活を遂げているが、今回もあまりの尊さに時間がかかってしまった。
木村強すぎるよぉ...
そして皆が警戒しているであろう男性キャラである水嶋だが、メインキャラのため最初から最後まで登場するが何も心配はいらない。
最初は本人も気づいていないが、彼は我々と同じ美しい百合を求む観測者である。
木村と檜山さんのサポートに徹し、美しい百合の花を眺めるために自ら空気になろうとしてくれる存在だ。
この作品は全4巻で完結しているがもっともっと長く続けてほしいと思えるほどの素晴らしい作品であるため、是非、皆にもこの木村と檜山さんの美しき青春を見てもらいたい。
そしてこの作品の美しさを感じることができたなら皆の友人にこの作品を紹介してほしい。
それによりくゥ先生がまた最高の新作を出せることを心から願っている。
文庫本版
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